四天王門と天狗像



杉並木を歩いていくと薬王院の山門である四天王門がある。四天王門の前にはお土産やさんが立ち並び、参道の賑わいを見せていると同時に、観光地としての側面も見せている。


浄神門のところにあった案内図から本堂付近を切り出したもの。右下の山門がこの四天王門である。山を登るにしたがって本堂、本社、奥の院と進んでいく。


薬王院の山門である四天王門の上部には高尾山と書かれた金色の額が掲げられている。四天王門は門の前面に右には持国天、左には増長天が配されている。持国天は阿、増長天は吽、左右で阿吽(あうん)をなしている。



持国天(じこくてん)
よろいかぶとに身をかため するどい独鈷(どっこ)を光らせる
心の悪魔をうちくだき 清らかな社会を守ります

独鈷とは持国天が左手に持っている法具で鉄又は銅製。


増長天(ぞうちょうてん)
剣を手にして勇ましく 無数の鬼をこらしめる
おごれる心をうちのめし 安らかな社会を守ります

増長天の剣を持つ手は持国天と同様左手。特に左手に持つとは決まってはいないらしく、他院では右手に持っている増長天も多い。


門の反対側には向かって右手に広目天、左手に多聞天が配されている。

広目天(こうもくてん)
軸と筆とを手にもって 澄んだまなざしさしむける
広く見る目でしっかりと 大きな社会を守ります

こちらも広目天と多聞天は阿吽の呼吸で我々を見つめている。

多聞天(たもくてん)
宝塔槍(ほうとうやり)を手にもって すなおに耳をかたむける
福徳たちまち集って 豊かな社会を守ります


四天王門を入ってすぐに新しく出来た六根清浄(ろっこんしょうじょう)石ぐるまがあった。石ぐるまの隣に解説の立て札があった。

六根清浄 石ぐるま


懺悔とは、心を迷わせる、貪(自分最優先の心)、怒り、愚痴(諦めたり挫けたりする弱い心)の3つの煩悩を悔い改め、反省の心を起す意味で六根清浄とは、人間の大切な感覚器官を指し、物事を見つめる眼、匂いをかぐ鼻、音を聴く耳、味覚を味わう舌、感触を感じる身、以上の大切な情報を判断する意(心)が清らかになる願いを神仏に祈る意味があります。
懺悔懺悔!六根清浄お唱えしながらお回しいただき、自らの心を見つめ直したうえで、身も心も新たな気持ちで明日からの人生を精一杯ご精進下さい。

六根清浄 石ぐるま解説板より


六角形の石ぐるまの上には人間の大切な6感の文字が書かれている。これをグルグル回しながら「懺悔懺悔!六根清浄」 と唱えるのだが、回り方がガリガリ言っているようだ。もともとなのか一日中回されすぎて中心部が破損したのか、中心部にはベアリングを入れたほうが良いのではないか。


高尾山の天狗さま


高尾山は、昔から神仏のお力に満ちた霊山であり、人々の心のふるさと、祈りのお山でした。
お陽さまの光や、風や雨、草木や沢の水にさえも神仏の尊い教えが示されるとして、山伏が修行を積むお山でもあります。
時には危険も伴う修行の守り神として、高尾山には天狗さまが棲むと信じられております。
そして、天狗さまは、修行を積む山伏のみならず、日々、精進努力をする私たちにも、困難を乗り越える力を与えて下さるのです。
こちらの、威風堂々としたお姿をされる二体の天狗さまは、永和年間に京都、醍醐山より俊源大徳が入山され、高尾山を中興開山されてから630年を記念して、當山第32世貫首、大山隆玄大僧正の発願により平成17年に、国に渡るご信徒の貴重なご浄財により造立されました。
高尾山の天狗さまは、訪れる善男善女を静かにいつも見守っておられます。
大本山高尾山薬王堂
天狗さま解説板より


向かって右が大天狗、左が小天狗像で中央に石塔形の賽銭箱が立っている。後方の石碑には南無飯縄大権現中興開山六百三十年記念とあった。両像とも時こそ経ってはいないが、実に見事な姿かたちで、時間と供に高尾山の自然に溶け込んでいくものと思われた。